中古住宅の温熱シミュレーション・・・とは!!

みずもくの水上です。
いきなり季節が変わったような涼しさが感じられます。
体調管理難しいですね。

ということで、本日は、以前、不動産屋さんから
相談されました、中古住宅のリノベーション案を
1985シミュレーターを使用してエネルギー消費量のシミュレーションを
行なってみました。
中古住宅いわゆる空き家が不動産として売買されるとき、
今まで大多数は、解体して更地にして売るか、解体費用分を値引きして
売るか、もしくは見えるところをリフォームして売るかの選択肢でした。
昨今、新築住宅の建築費は、業界的な要因と世界規模の要因で
資材やエネルギーが高騰し全体の価格に影響しています。
そんな中、中古住宅、空き家は増え続けています。
このような不動産情報を見た方がいるかもしれません。

普通であれば、解体して更地にして販売ですね。
しかし、そうではなくてきちんとインスペクションをして
建物の現状を確認し、現在より高性能なリノベーションを行い
付加価値を施す選択肢もあっていいのではないでしょうか。

築50年、木造平屋建て、約18坪。
場所は利便性良く、駐車場二台可。
50年前の建物なので、ほぼ無断熱。
夏暑く、冬寒いのは必至。栃木県では寒暖差が激しいので
本当に命取りになります。
そこで、窓を入替、外部に付加断熱、天井、床にも断熱を施工し
UA値0.5相当の性能を提案。
プランも使い勝手よく変更し(これは購入する方と希望のプランを
一緒に考えることもできます。)2000万円規模のリノベーションですね。
高額に感じるかもしれませんが、この土地を更地から購入し30坪の高性能な新築住宅を
建築するとすると約4500円ほどになり、中古リノベーションであれば約3500万円。
一概には言えませんが、あるものを利用し、性能を上げ、暮らしやすい環境を
確保できるのであれば、選択肢としては、検討する価値はあるのではないでしょうか。

このようなリノベーションプラン。
2LDKのゆったりとしたプランです。
こちらを1985シミュレーターを使用して計算してみると
明らかに数字がかわります。
住んでいる方がいないので、単純に現状との使用エネルギー量の比較は
正確にできませんが、建物だけの性能アップの比較はできます。
既存と提案後を比較するという点では、このシミュレーターは適していると
思います。
結果がこれです。

躯体の性能を上げただけで、電力消費量は20%以上下がっています
エアコンや家電などは、住む方のヒアリングをしてみないとより
近い数字は出ませんが、窓の外側での遮蔽や、窓の性能によっては
さらに下げることは可能です。


夏のエネルギー消費量、冷房がメインですね。
こちらは、33.5%削減。
グラフの温度は、基準の設定にしているLDKの
室温です。
晴れの日の室温変化は、Beforeは外気温とほぼ連動。
Afterは、外気温に対してゆるやかにあがりゆるやかにさがる。
夕方の室温上昇に工夫が必要ですね。


冬のエネルギー消費量。暖房ですね。
こちらは非常に高い削減となりました。
冬場、最低気温が氷点下になることも多いのですが
AfterのLDK室温は、一日を通して15℃~20℃。
温めた空気が外に逃げにくくなっています。
Beforeでは、ほぼ外気温と連動しているため
LDKは、2℃~3℃。とても厳しい環境です。

あくまでも数字の上での話ですが、
リノベーションをすることで暮らしやすい環境になります。
購入するときに、インスペクション、シミュレーションを行い、
新築住宅ではなく、中古住宅のリノベーションを
検討する選択肢もあるのではないでしょうか。

小さなエネルギーで丁寧に暮らそう!
みずもくのつぶやきをご覧いただきありがとうございました。

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